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熱中症にならないための生活習慣を身につけましょう!

夏が来るたびに話題になる熱中症。「今の時期に熱中症なんてまだ早い」と思っていませんか? 実は、熱中症にかかる人が増え始めるのは、ちょうど6月ごろからなのです。夏本番というには早く、気温もさほど高くないこの時期に、なぜ熱中症にかかってしまうのでしょうか? 熱中症の原因と、予防のための「6つの習慣」についてお伝えします。





皮膚の血流を上げ、汗をかける体に

ここ数年、猛暑の続く日本ですが、「熱中症は、真夏の強い日差しの中で運動する時だけでなく、気温が高くなり始める6月頃から起こり始めます」と日本体育大学の杉田正明教授は指摘します。
そもそも熱中症とは、暑い環境の中で起こる健康障害のこと。通常わたしたちの体は、体の中で作り出される熱と、外に放出される熱のバランスが保たれることで体温を維持しています。
体の中から熱を放出する仕組みは2つあります。
「まずは、皮膚の血管を広げて血流を増やし、熱を皮膚表面から放出する方法。この方法で十分に熱を逃がしきれなくなると、もう1つの方法である発汗が起こり、気化熱により放熱します。これらにより、体の内部の温度(深部体温)を下げるのです」と杉田教授。

しかし、運動などにより体で作り出される熱が増える、体の中からうまく熱を放出できない、外気温が高すぎる、といった条件が重なると、そのバランスが崩れて熱中症になってしまうのです。


〝暑熱順化〟で暑さに負けない体の準備を!

「暑さに慣れていない時期には特に、熱中症に対する注意が必要です」と杉田教授は話します。徐々に体を暑さに順応させることを“暑熱順化” と言います。
「季節の変わり目は、それが不十分。皮膚の血流量が増えにくく、体から熱を出しづらくなります。汗腺の機能も低く、汗で排泄される塩分が多いため血中の電解質のバランスが崩れ、足がつるなどの熱中症の症状も出やすくなります。さらに、水分補給しても体液の量が回復しにくいという特徴もあります」と杉田教授は説明します。



「熱中症が起こる原因は外気温の高さだけではありません。湿度も大きく関わるので気をつけてください」と杉田教授。気温がさほど高くない梅雨時は油断しがちですが、「こうした日には、さして暑くないからと水分補給がおろそかになり、知らない間に脱水が進行しています。また、湿度が高いので汗が十分に蒸発せず、思いのほか深部体温が上がってしまうので、熱中症には要注意です」と杉田教授は解説します。



熱中症予防のための「6つの習慣」

熱中症を防ぐには、本格的な夏が来る前に体を暑さに慣らして暑熱順化を促し、上手に熱を放出できる体をつくることが大切です。「それにはウォーキングなど汗ばむ程度の軽い運動や入浴がおすすめです。シャワーで済ませず、額に汗をかくまで湯船に浸かりましょう」と杉田教授は話します。
水分補給も重要です。大量の汗をかいて脱水状態になると、体が発汗を抑え、さらに体温が上がります。喉が渇いたと感じる前から、1回100〜200ml程度の水分をこまめに補給しましょう。「その際、汗で失われる塩分も一緒に補給してください。日本スポーツ協会では、0.1〜0.2%の食塩(ナトリウムに換算すると40〜80mg/100ml)と、糖質を含む飲料を推奨しています。スポーツ飲料が手軽です」と杉田教授。
熱中症対策をしていても暑さが厳しい場合は、深部体温を冷やすと効果的です。手のひらを冷水(10〜15℃)で冷やしたり、アイススラリーという流動性のある冷凍飲料を摂取したりすることで、深部体温が下げられます。また、自律神経の乱れも熱中症の要因に。不規則な生活や寝不足、二日酔いになるほどの飲酒を控え、朝食もしっかり食べるようにしましょう。
上手に“放熱”できる体をつくり、早めに“暑熱順化”をするとともに、熱中症予防のための生活習慣を身につけましょう。

転載元:オオツカ・プラスワン メールニュース| 2019.06.06号「熱中症にならないための体づくり」





〈 監修者 〉
杉田正明
1991年、三重大学大学院教育学研究科修了。東京大学助手、三重大学教授などを経て2017年より現職。博士(学術)。JOC情報・科学サポート部門長や日本陸上連盟科学委員会委員長としてトップアスリートの強化に関わり、様々な競技種目での暑熱対策やコンディション管理などの活動に取り組む。

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