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【後編/ライフスタイル編】社員の先頭に立って、小さな健康努力を積み重ねていく

「健康経営」の実現には、リーダーの姿勢が大きく影響します。株式会社デサンの代表取締役・藤池一誠さんも「自ら率先して健康的な生活を送り、その背中を社員に見せることが大切」と、紙巻きたばこの社内全面禁煙を期に自身も禁煙したそう。今回は、そんな藤池さんの健康ルールや習慣をご紹介します。

※前編はこちら




健全な睡眠リズムが仕事に好影響を与える



タイムスケジュールを見ていただければ分かるとおり、平日も休日も、ほぼ同じ時間に寝て、起きています。睡眠時間も、できる限り6時間は確保するように。毎日規則正しいリズムで生活することを心がけているおかげで、体内時計も自然と整い、今ではアラームが鳴る前に必ず目が覚めるほどです。



■藤池さんの趣味のカメラコレクション
また、翌朝すっきりと起きるため、「寝る前に考えごとはしない」とも決めています。一度考え始めると、そのことばかりが心を支配して、何時になっても寝つけません。しかも翌朝は睡眠不足で疲れが残っているうえ、考えごとがいい方向へ変わっているかというとなにも進展していない。

であれば、しっかり睡眠をとってクリアになった頭で考えたり実行に移したりするほうがよほど効率よく、集中して物事を進められます。その代わりに、寝る前は趣味であるカメラの機材を手入れしたり、撮った写真を整理したりと、仕事以外の時間に費やすことで気持ちを切り替えています。


「当たり前のことを当たり前に」が一番の幸せ



■健康的な生活を心がけているおかげか、インタビューに答える藤池さんは若々しく活力に満ちている

実は、私が「健康経営」に取り組もうと決意した原点は、自身の経験にあります。今から5年ほど前、会社の代表取締役になって3年目の頃です。社長業に慣れつつある時期で、様々な経営課題も見えてきて、考えごとばかりしていました。夜は眠れず、そのせいで食事もままならなくなり、結果、仕事のパフォーマンスも落ちるように。

そこでようやく、健康の大切さを強く実感しました。朝、目覚めて、会社に行って仕事をし、自宅へ帰って夕食を食べて寝るという当たり前のことが一番の幸せなのだと我に返ったんです。当たり前のことを当たり前にできるから、次の成長が生まれるのだと。

だから今では、食事も1日3食、必ず食べます。以前は会合や懇親会などで夜はほとんど外食だったこともあり、自宅での食事はあっさりとした和食が基本。うちには食べ盛りの子どもが3人いるので、栄養バランスに気をつけつつ、私用と子どもたち用のメインディッシュを別々に用意してくれる妻には感謝しかありません。


自らと社員の健康を成長への第一歩に



■社長室の壁には、息子さんによる書や友人から贈られた標語が並ぶ

運動は、例えばジムに行くなど敢えてそのための時間を作るのは難しいので、普段の生活の延長線上に取り入れるよう工夫しています。移動の際には競歩さながらの速さで歩くことを徹底したり、エスカレーターではなく階段を使うなど小さな努力を積み重ねています。
このように食事と睡眠、運動を意識するようになってからは、心身共に調子がいいですね。だからこそ、一緒に働く社員たちにも、この先ずっと健康に、かつやりがいを持って仕事を続けてほしい。でなければ、会社の成長にはつながりません。そのためにも「健康経営」の成功は必須。

そして、「デサンの社員で良かったな」と思ってもらえたら経営者として本望です。さらに、そんな会社を作りあげていく父親の姿を見て、我が子たちにも「お父さんの子どもで良かったな」と誇らしく感じてもらえるような生き方をしていきたいですね。
●健康社長の健康ルール


「特に食事は気を使っています。平日は移動が多く、ランチタイムはほぼ外食。なので、脂っこいものは極力控えたり、野菜を多めに摂ったりを心がけています。健康経営に取り組むようになってからは、大好きな甘い物を控え目にし、飲み物も糖分の高いものは避けるなど、バランスを考えるようになりました」(藤池一誠さん)



〈プロフィール〉


株式会社デサン
代表取締役社長 藤池一誠
1969年埼玉県大宮(現さいたま)市生まれ。日大理工学部工業化学科卒、日産ディーゼル工業を経て1997年入社。2012年4月1日より現職。2019年6月、中小企業庁「はばたく中小企業・小規模300社」受賞。2020年7月、埼玉大学産学官連携協議会防災ビジネス研究会代表を務めさいたま市イノベーション技術創出支援補助金を活用・製品化した防災機器、「ソナエージ®」の開発者でもある。現在、大宮法人会青年部会長。埼玉ニュービジネス協議会副会長。