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【前編/健康経営編】専門家のアドバイスも取り入れて従業員とともに健康経営

従業員の健康を経営的な視点でとらえ、戦略的に実践する「健康経営」。今回は従業員の健康を第一に考え、2017年から健康経営を積極的に推進しているサイショウ・エクスプレス株式会社、代表取締役の齋藤敦士さんに、同社の取り組みについてお話しを伺いました。




健康の大切さを実感したことが健康経営に取り組む原動力に



■サイショウ・エクスプレス株式会社、代表取締役の齋藤敦士さん
「健康経営に取り組むことで、自分の健康について意識することが会社の文化になった気がしています。今、実践している活動をブラッシュアップして、安全運転につなげていきたいですね」

【サイショウ・エクスプレス株式会社を紹介します】
設立/1955年8月
従業員数/26名(2021年3月現在)
業界/運送業
主な業務内容/催事・イベント関係の機材運送や什器運送、建築現場への運送のほか、倉庫業務にも携わる
健康経営をスタートした年/2017年度

- 最初に、御社が健康経営に取り組まれるようになったきっかけからお聞かせください。

健康経営を始めたきっかけはいろいろあるのですが、主な理由は2つあります。ひとつは大腸がんや胃がんなど、従業員に大きな病気が続いたことです。当社は大人数の会社ではないので、1人が担う役割や責任が大きくなってきます。誰かが病気になって仕事復帰までに時間がかかってしまうと、その都度、コストをかけて求人募集をするということが続いていたんです。
もうひとつは身内の不幸です。数年前に妻と私の母が続けて亡くなったのも影響しています。闘病生活を近くで見ていて、病気を患った本人はもちろん、仕事をしながら看病する家族の大変さを実感し、健康であることの大切さを感じたことが、健康経営へ取り組む大きな原動力になりました。



- 齋藤さんの強い思いから健康経営への取り組みが始まったのですね。

以前から運送業界全体での健康への意識は薄いように感じていました。当社では、健康経営を宣言する前から従業員の健康管理として対面点呼やアルコールチェック、睡眠時間やふらつきがないかなど日々確認し、また健康診断の受診率100%を目標にしていました。これは他社との差別化になるだろうという考えではなく、とにかく「従業員の健康意識を変えたい」「健康診断の数値を良くしたい」という思いからでした。
当社は運送業ですから、経営者である私が積極的に従業員の健康をサポートし、健康意識を向上させることが、健康起因の事故防止や安全運転につながると考えています。


スペシャリストと一緒に効果的な取り組みを実践

- 2017年に健康経営宣言をされてからの具体的な取り組みについてお聞かせください。

最初は血圧計や体重計を置いたり、業務中に気軽に行って帰ってこられるウォーキング活動をしたり、健康社内報を作成したり、すぐにやれることから始めました。健康社内報は私が作って、従業員に配布します。健康に関して私自身が実践していることや従業員の取り組みなどをまとめたもので、2~3カ月に1回程度のペースで作成しています。




- 健康社内報は素敵な試みですね。齋藤さん自身も健康に関する情報収集の過程で新たな発見がありそうですし、従業員のみなさんも興味を持つきっかけになりそうですね。

健康経営をスタートして、いろいろ手探りの状態で進めて半年が過ぎた頃、私が考えている「健康」について伝えているだけではないかと思うようになりました。健康経営に取り組むうえで、もっと違う視点も伝えるべきではと思い、日ごろお世話になっている保険会社の担当者から健康管理士を紹介していただき、健康経営の取り組みがそこからぐっとスピードアップしたと実感しています。


- 健康管理士との出会いで、取り組みにどのような変化がありましたか。

まずは2カ月に1回の健康講習会の開催です。健康管理士からアドバイスをいただいて健康診断の受診結果をデータ化し、トラックドライバーがかかりやすい病気を分析した結果を講習会のテーマに反映していきました。例えば、歯科衛生士に来ていただいて歯磨き実習をしたり、管理栄養士にコンビニ食の選び方について講習してもらったり、いろいろとチャレンジしましたね。
それから産業医を付けるようになりました。ただ中小企業が1社だけで産業医を選任するのはコスト的にも厳しいので、数社で産業医をシェアしています。


- さまざまな取り組みをされていますが、従業員のみなさんの反応が良かったものは何でしょうか?

管理栄養士によるコンビニ食の選び方の講習で、テーマをもっと絞って、ドライバーが頻繁に口にする缶コーヒーやカップ麺を取り上げたら講習会は好評でしたね。
あとはヨガも人気です。ドライバーの腰痛予防にもなるので、定期的に開催しています。やはり座学ばかりだと勉強っぽくなって退屈なようで、動きがあるほうが前向きに参加できるようです。


- 健康経営に取り組むようになって、従業員のみなさんの意識や行動に変化はありましたか?

3カ月に1回、健康管理士による健康改善面談を実施しているのですが、最近になって従業員から健康経営に取り組んで良かったというコメントが増えていて、考え方が浸透していっているのだなと感じています。最初は無関心な雰囲気もありましたが、約4年間、従業員の健康への意識づけのために行動してきた成果が少しずつ出てきたのかなと。健康器具も従業員が率先して必要なものを購入してくれるのもうれしい変化ですね。
従業員それぞれが、実際に体調面での変化を感じて、自身の健康について考えることの大切さを理解してくれたのかもしれません。




「新3K」を掲げて日本一健康で元気なプロドライバーを目指す!

- 御社では、「綺麗」「健康」「かっこいい」の3つのKで「新3K」というスローガンを掲げられ、そこには「健康」が入っていますね。

自分たちで新しい3つの「K」を作って取り組んでいくなかで、まず健康経営からスタートしました。当たり前のことですが、従業員は会社にとって大切な財産です。ですから会社として従業員の健康にアプローチしていくことで、1日でも長く働けるような体力づくりや、仕事を通じて生きがいを感じてもらえるようなサポートができればと考えています。


- 健康に対する制度も充実していて、従業員を大切にされているのが伝わってきます。

年2回の健康診断はもちろん、睡眠無呼吸症候群検査や禁煙外来費用補助、ストレスチェックなど、健康に対する制度は整えています。健康経営に取り組み始めてホームページなどで外部に発信するようになってからは、健康への意識が高い人が入社してくることもあります。
私自身、健康経営は「人を大切にする経営」ではないかと思っています。従業員にとっても自身の健康を日々意識することで異変に早く気づけ、早期で病気を治療すれば、医療費も抑えられると思いますし、仕事への復帰もスムーズになり助かるはず。簡単なことではありませんが、「日本一健康で元気なプロドライバー」を目指して、会社一丸となって取り組んでいきたいですね。




<社長プロフィール>


サイショウ・エクスプレス株式会社
代表取締役 齋藤敦士
2001年にサイショウ・エクスプレス株式会社に入社し、家業である同社を誇れる会社にすべく尽力する。2017年1月より健康経営プロジェクトに取り組む。2021年3月に事業を継承し代表取締役に就任。運行管理者、整備管理者、安全衛生推進者、ほめ達3級など、業務から経営に関わるさまざまな資格を取得。東京都トラック協会青年本部組織委員、東京トラック協会深川支部青年部長。趣味はゴルフ、ジムでトレーニング、娘と遊ぶこと。


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