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【後編/ライフスタイル編】健康経営で五反田の街をもっと楽しく!

経営理念の「社員と家族の幸せ」を実現するため健康経営に取り組む、コグラフ株式会社 代表取締役の森善隆さんは、会社がある東京・五反田の地元をもっと盛り上げたいと考えています。そのために、自分の会社で取り組む健康経営を地元に広げる活動を始めました。どんな取り組みを行っているのかを聞きました。

※前編はこちら



自分のことは「これから」です

会社では、従業員に心地良い生き方や働き方をしてほしいと、2018年度から本格的な健康経営に取り組んでいます。成果も出てまずますといったところですが、自分自身の健康はと言うと、決まった時間に寝起きするぐらいでした。

それではいけないと、最近は独身時代に愛用していたランニング用腕時計をひっぱり出し、ジョギングを始めました。距離やスピードを目標にするのではなく、心拍数のデータを貯めて管理しながら「続けること」を目標にしています。これからは、少しずつ体を鍛える時間もつくろうと思っています。

食事については、1日1食が長年の習慣です。従業員のためには食を通じた健康を考えるものの、1日1食習慣が自分にはあっているようで体調もよく、変えようとは思っていません。ただ最近、大塚製薬さんからアドバイスをもらい、1日1“朝食”を習慣にして、朝食べるようにしています。とはいえ、自分自身の健康経営はまだまだ始まったばかりですね。




■週末は家族と一緒に。「ジョギングを始めるまでは、子どもと遊ぶのが唯一の運動でした。楽しいので気分転換には最高ですが……、運動とは言えませんね」と森さん。天気の良い日は公園で、家族といっしょに旬の野菜を使ったお弁当を食べるのが楽しみだとか。

五反田で健康経営を行う「ゴタウェル」創設

健康経営に取り組む経営者として、そして森善隆個人としても、積極的に行っている活動があります。コグラフがある東京・五反田を盛り上げる地域貢献活動です。

私たちの企業理念に「社員と家族、すべての人々を幸せにする」を掲げています。「従業員と家族の幸せ」は従業員向けの取り組みで目指せるけれど、「すべての人々の幸せ」はどうしたものかと思っていました。
うちはベンチャー企業なので、まだまだ事業以外に投資をする余裕はありません。そこで、社内で実践したノウハウを少しずつ社外に波及させることにしました。

その活動先として選んだのが五反田です。五反田は、ここ数年で勢いのあるベンチャー企業が集まり、シリコンバレーならぬ「五反田バレー」と言われています。若い企業が多いので活気があり、がんばる企業を応援する気風のある温かい街です。
そこで志に賛同してくれる五反田にある企業を募り、2017年に非営利団体「五反田ウェルネスコミュニティ」を立ち上げました。“五反田のウェルネス”活動を行う、略して「ゴタウェル」です。

コミュニティの「ゴタウェル」は会員制で、会員といっしょに、健康経営の考え方を軸に五反田を盛り上げる活動を企画、実施します。会員には、五反田の住民や企業だけでなく、五反田が好きという個人も会員になれます。現在の活動は、地域のゴミ拾いやランチタイムのストレッチ講習会などを2カ月に1回のペースで開催しています。


【 五反田を盛り上げる団体「ゴタウェル」の取り組み例 】


●ランチタイムのストレッチ講座
五反田にあるストレッチジムのトレーナーを講師に行うストレッチ体験講座。この日の開催場所は森さんの会社、コグラフ株式会社。「『ゴタウェル』の取り組みですが、コグラフの健康経営イベントでもあります」と森さん。ほかの会員企業の従業員も集まって、いっしょに体験。参加企業で費用分担できるメリットも



●五反田の飲食店の利用割引
五反田の飲食店を利用する機会を増やそうと、五反田の飲食店と相談してつくった割引。「ゴタウェル」参加企業は福利厚生の一つとして利用できる







●五反田大運動会2019 in 五反田バレー
五反田駅から徒歩5分の品川区立日野学園のグラウンドを借りて行った運動会。クラウドファンディングで運営資金を集め、五反田の芸能プロダクション・浅井企画のタレントを呼ぶなど大掛かりに実施。「ゴタウェル」の会員以外にも参加者を募った結果、400人が集まり大成功を収めた


「健康社長」が縁で「“おうちで”五反田大運動会2020」開催

コミュニティ「ゴタウェル」の取り組みで大成功を収めたのが、2019年に行った五反田大運動会です。参加者を「ゴタウェル」のコミュニティ会員以外にも広げて募り、400人もの五反田を愛する人たちが集まってくれました。

2020年も実施しようと動いている中、大塚製薬さんから紹介していただいたのが、株式会社アローの代表取締役、阿藤貴史さんです。格闘家で兼パーソナルトレーナーであり「健康社長」である阿藤さんとは、健康経営への考え方や思いに共通項が多く意気投合し、いっしょに「五反田大運動会2020」に取り組むことになりました。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大のために計画は一時中断してしまいましたが、最終的には規模を大幅に縮小しオンラインで「“おうちで”五反田大運動会2020」を11月末に開催しました。Zoomを使った「自宅や会社でできるストレッチ講座」は、モニター越しに阿藤さんが参加者一人ひとりとの動きのチェックをしたり、全員で声を合わせて動いたりと、コロナ禍のストレスや運動不足を解消でき楽しい運動会だったと参加者から声をもらいました。

五反田大運動会2020は規模を縮小しオンラインで開催になりましたが、阿藤さんとタッグを組めたのは思いがけない収穫でした。健康経営に取り組んだことで多くの人とのつながりができ、活動の価値を実感しています。次は五反田から東京。その先に日本、そして世界へ! この活動をさらに広げたいという壮大な夢に向かっています。




■“おうちで”五反田大運動会2020のサイト。運動会で実施した阿藤さんが指導する「オフィスでできるストレッチ運動」動画を、現在は「五反田大運動会in五反田バレー」のFacebookで見ることができる

●「“おうちで”五反田大運動会2020」に参加して●

森さんと共に「“おうちで”五反田大運動会2020」の運営を担った株式会社アローの阿藤貴史さんから声をいただきました。


株式会社アロー 代表取締役 阿藤貴史さん
理学療法士/健康経営アドバイザー/現役の格闘技選手


森社長との出会いは、五反田の企業がウエルネス活動を行う「ゴタウエル」の企画会議でした。大塚製薬さんのご紹介で参加したのですが、「健康経営は、取り組む企業だけでなく全ての人に有益であってほしい」という森社長の言葉に、とても共感しました。
残念ながら、「五反田大運動会2020」はオンライン開催になりましたが、一般の方が小さなお子さんと参加される姿を見て、行動に移すことで森社長の言葉が形になると実感し、健康経営は、指揮をとる者の思いがとても重要だと改めて感じました。
私も、小さな会社でもできる健康経営を継続し、その取り組みを周囲に広げるキッカケづくりにも挑戦したいと思います。



<社長プロフィール> 


コグラフ株式会社
代表取締役 森 善隆

1976年、愛知県豊橋市生まれ。国内独立系ソフトハウスでシステム開発エンジニアとしてキャリアをスタート。サイバーエージェントを経て、スタートアップ企業・リアルコムに参画した際、国籍を超えた開発の面白さに目覚め、2010年、コグラフ株式会社を設立。グローバルな人材を有する強みを生かして、日本に進出する海外企業の案件を多く扱う。2017年には、地元、五反田で健康経営を実践する団体「五反田ウェルネスコミュニティ」、通称「コグウェル」を立ち上げている